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心理臨床オフィスまつだ

急かされて心の準備が間に合っていなかったかもしれないワクチン接種

コロナ 気持ちの整理

ワクチン接種において、心の準備というキーワードはどこかに登場したことがあったでしょうか。

有事などと言われているように、特にこのような状況下ではどうしても後回しになりがちに感じています。

ワクチン接種への心の準備はいつから

医療従事者に関しては、もっとも先行して接種が開始されました。

心の準備と言う意味では、あまりその時間を持つことができなかった方たちです。

しかし、いきなり接種が数日後に予定されたわけではありません。

はじめは、医療従事者、次に高齢者、基礎疾患のある方という風に、まずはおおよそのスケジュールがたてられました。医療従事者には、まずは自分たちからはじまるのだ、と早期の内から心の準備が開始されたはずです。

逆に、ずっと先だと思った人は、ひとまずその時点で心の準備は開始されていなかったのではないかと思います。

大規模接種会場の設置

医療従事者のワクチン接種がはじまると、だいたいどのくらいのペースで進んでいくかが明らかになりました。

そして、高齢者の接種の時期も各地自体がスケジュールを組み、するとそれ以外の人はかなり先になるだろうと感じていたはずです。10月か、11月か・・・、はたまたどうせ遅れるだろうから年明けか・・・などと見通していた人も多いのではないでしょうか。

ところが、突如大規模接種会場が設置され、1日の接種者数は100万人を越えるようになりました。

また、職域接種なるものまで開始されました。「来週には予約を入れてください!」などと急なスケジュールを迫られた人も多かったはずです。

ワクチン休暇はどうなったのか

ワクチン接種の副反応を鑑み、接種後に休暇を入れようなどと謳っていた記憶がありますが、休んだ人を私は知りません。むしろ、「38度も出たよ!」という話ばかりを聞きました。そのまま仕事をしていたのでしょうか?

この辺りの話は本当に丁寧に進めて欲しい所ですが、なし崩しになったのでしょうか。

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ワクチンを接種した翌日は仕事を休んでも大丈夫でしょうか。

一月ぐらいは必要なのでは

なんの根拠もない数字ですが、ワクチンを打とうと決めるには一月ぐらいの猶予は必要なのではないでしょうか。

これは接種が可能になり検討にかかる時間です。実際の予約はその数週間後となるため、実際の接種日は2か月後くらいになります。

この場合、8月に接種を意識したら、実際の接種は10月ということになります。

これを聞くと、悠長すぎるとお感じなる方も多い事でしょう。心の準備は勝手にはじめて備えていた方が、政府の動向に左右されずに済むということになります。

心の準備の時差

  • ワクチン接種未定
  • ワクチン接種一月前(予約済み)
  • 接種後3か月経過

例えば、この三者では、心の準備に時差が生じています。このような時、既に接種した人は早く3回目という具合にかなり進展しましたので、未接種者の様子がもたもたしているように見えてしまうかもしれません。しかし、順番にスケジュールを組んでやってきたのですから未接種者の心の準備を急かすようにするのもどうかと思います。

これは丁度、身内が危篤になった時に起きる状況に似ているかもしれません。

同居人は、危篤になるまでの間、毎日その人の様子と変化を刻々と感じて、医師からも頻繁な説明を受けている事でしょう。そうやって徐々に心の準備をしています。しかし、遠方の親戚などは、電話では聞いていても、実際に顔を合わせたら現実とのギャップを感じて、「どうしてこんなことになったの・・・」などと同居者に怒りをぶつけてしまうことすらあります。

それもそのはずで、心の準備に数ヵ月や数年の時差があるからです。同居者はもう何年も前に泣きはらした日があったかもしれません。同居者側からすると、遠方の親戚は何を急に怒っているのか、私たちの苦労を知らないのか!と怒りを感じる事になります。

まとめ

社会の動きは、「とにかく早い方が良い」とする方に顕著に傾く事があります。その場合、あたかも通勤電車の椅子取りのように、お尻で弾き飛ばされる人が出てしまう事に思いをはせたくなるのです。
誰かが椅子に座れば、必ず座れない人が出るように、一番早く受ける人がいれば必ず一番遅くなる方もいるのです。
そして、なぜその遅さを責められるのか、これはどう考えても納得いかないわけです。
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