ソーシャルサポートとは、周囲のサポートを指す概念である。 我々が、ストレッサーに曝された場合、それにどうにか対処しようとする。
ソーシャルサポートに支えられている
このストレッサーの種類によって、ある種のサポートが 支えになることがあり、結果的には、ストレス反応を緩和する ことにも繋がるのである。
例えば、仕事で疲労困憊の中、帰宅したとき、食事の準備が なされているのと、そうでないとのではどちらが負担を減らす ことにつながるだろうか。 基本的には、準備されていた方が負担は少なく済むものである。
もし準備がなかったならば、疲労困憊の中自分で、野菜を 刻んだり、お湯を沸かし、ご飯を炊いたりする。 こうしている間に時間はどんどんと過ぎ去り、睡眠時間が その分短くなるわけである。 一方、準備がなされている場合には、すぐに食事を 取り、明日への備えをすることもできるわけである。
このように、ソーシャルサポートの有無によって、当人に かかるストレッサーの影響は変化する。(この他コーピング他も 関係する) ストレスケアは、個人的な要因だけではなく、その人の周辺環境 も勘案したものとなれば、益々意味を成すものとなりそうである。 もしある社内で、一人暮らしの社員のストレスマネジメントを実践しようと したなら、食事に対する支援が意味を持つ可能性もあり得るだろう。
例えば、ヘルシーな定食を提供する飲食店と協力し、会社側が 半額を負担するなどして食券を配布したら、負担が減り助かるという 職員も少なくないのではないだろうか。
ソーシャルサポートの具体例
さて、もう少しソーシャルサポートについて幾つかの具体例をここに示しておきたいと思う。 ソーシャルサポートになり得ることには以下の様なものが挙げられるだろう。
- 就職活動に際して、模擬面接を行ってくれる体制が大学にある。
- 学校で、勉学に不安を感じた時、必要に応じて、学習指導を個別に受けることができる。
- 食事や洗濯などの家事を済ませてくれる家族がいる。
- 奨学金制度が利用できる。
- 税金の未払いに猶予制度がある
- ある自治体では、市民が無料で利用できるマッサージ機が設置されている。
など、例を挙げれば膨大な数になるだろう。 幾つかを見渡してみるだけでも、その幅の広さに気づかされる。 しかし、サポート内容と、本人のニーズがマッチしないことには、あまり 意味をなさないサポートもあることになる。 就職をせず、進学する人にとっては、模擬面接のサポートはそれほど 重要な位置づけにはならないだろう。
また、サポート体制があったとしても、それを知らなければ、ないのも 同然である。自治体がマッサージ機を購入しても、それがどこで 利用できるかを知らなければ、そのサポートを利用することは不可能で ある。