負担をかけないシンプルなストレスケアを旨とした

シンプル ある実践例

第4話です。

Aさんは迷いながらも、職場内をよく観察した結果、幾つかの視点をもちました。

  1. シンプルなプラン
  2. 職場内に生じる役割、立場という要因
  3. 自発的な参加

この3点をまずは、Aさんの企画の柱にしようと考えるに至ったのです。

シンプルなプランがベストと考えた

病院内は、多忙で、多くの会議や研修で溢れかえっています。そのため、新たに新しい研修や調査を組み込むことは、職員にとって新たな負担が増えることに直結する可能性の方が大きいと考え、大げさな研修や、調査は行わないことにしました。

そもそも、衛生委員会が実施したデータがあるので、それを参照すれば調査を行う必然性もなかったのです。また、これまで行われてきている取り組みに敬意を払う態度を忘れないようにしました。

職場内で生じる役割、立場という要因

いろいろな関係性の中で、遠慮したり、逆に責任を負いすぎたりする職員が出てしまう場面もありました。これが組織の性質と言えばそれまでですが、普段の関係性を持ちこまない形での企画を実行することに意味を見出したのです。例えばそれは、安全に参加できる勉強会の企画などになります。

自発的な参加

いわば義務的なメンタルヘルスに関する研修は、十分に行われています。さらに、出席を義務付けるような勉強会のスタイルは避けたいと思い、参加してもしなくても良い勉強会というコンセプトを挙げました。自発的に参加してみたいという時に、大きな成果が上がるのではないかと考えたのです。

企画案

以上の3点をもとに、Aさんはリラクセーションを主軸に据えた勉強会の開催を考えました。急ぎで、企画書をまとめ、副院長に話を通しました。シンプルを旨としているので、全ての準備から運営、片付けまでをAさん一人で完結できる案を考えました。 副院長は、「やってみて下さい」と言ったのでした。

 

後書き

ストレスケアに限らず、組織内で新しい取り組みがなされると、「また負担が増える・・・」という声ばかりが聞かれます。そして、上司が怒って、いやいや皆で取り組む姿があります。ストレスケアにおいても同様のことが起き得ますので、そうはならない、負担を生まない配慮が求められます。

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