ストレッサー(ストレス源、負荷のこと。つまり、騒音、蒸し暑い天気、 嫌な音、臭いなど)に曝された時、我々の心身には様々な変化が 起きるとされています。 それが、 ストレス反応と呼ばれるものです。
ストレス反応について
セリエ博士やキャノン博士のような生理学者は、現代からはるか以前に、どのような変化が生じるかとという点を研究していた歴史もあります。 さて、一般に、心理的な反応、行動的な反応、身体的な反応がストレッサーに よって生じてくるものであり、それは概ね下記のようになる。
心理的な反応
- 不安感や気分の落ち込み
- いらいら
- 怒り などが生じる。長期化すると無気力やうつ気分も出現。
イライラ日常場面と重ねて想像してみると、我々は、騒音をずっと聞いていると、 いらいらして外に向かって「うるさい!」などと大声を挙げるようなことがないだろうか。 これもストレス反応と言えるであろう。
行動的反応
- 集中力の低下
- 眠れない
- 喫煙の増加
- 性欲や意欲の減退 など
ストレッサーは、行動にも影響し、集中力の低下などを招くことになる。 試しに、単純な計算問題をストレッサーが「ある」、「なし」の条件別で 行ってみると、ストレッサーがある方では、ケアレスミスが増えるはずである。
身体的反応
- 心拍数の増加
- 体の緊張
- 発汗 など 長期化すると、頭痛、めまい、肩凝りなども出現
ストレスの身体反応はじめは、体に力が入る程度に感じていたものも、時間が長くなると、 頭痛までつながることがあるのではないだろうか。 ずっと嫌な臭いを我慢していたら次第に頭が痛くなりそうなものである。
別な体の不調との混同にも注意
以上が、ストレス反応の大まかな例のごく一部である。 我々の日常によくありがちなことが含まれている。 しかし、ストレス反応と別な身体的不調を勘違いしてしまうことは最も避けたいところであり、なんでもストレス 反応と決めつけるわけにはいかないものであろう。
ストレス反応の実感
ストレスマネジメント教育などにおいて、良く用いられる方法だが、ストレス反応に意識を向けるプログラムがある。例えば、リラクセーション実施前後で、脈拍を数えてみたり、単純な計算問題を行うなどである。 これにより、リラックス時と、緊張時での相違が視覚的に可能になる。ストレスはない、と感じていた人であっても、変化が生じることがあるので、普段の生活の中ではなかなか意識が向けられることは少ないようである。