現代社会は本当に難しい時代になりました。
これはある青年が経験したエピソードです。(フィクション)
マニュアルに収まりきらないお客さん
その青年は、礼儀正しく何の悪気もありませんでした。
しかしながら、よく勘違いされたり、意味不明と思われてしまう事があるそうです。
アイスクリームには決して何も振りかけないでください
お店によっては、たくさんのアレンジが成されます。
しかし青年は、むしろプレーンなアイスで十分でした。
というのも、昨今の味付けは行き過ぎだと感じていたためです。
他のお客さんからすると、トッピングの自由はサービスで、何も振りかけないのはもったいないという事でしたが、青年に、そんな希望はありませんでした。
「そのままで結構です。一切何も乗せないでください」とやや強い口調で申し出ました。
強い口調になったのは、以前チョコは乗せないで下さいと言えば、別な物もあるということでエンドレスになったためです。
すると、<トッピングをお持ち帰りになりますか?>とおっしゃるわけです。
アイスですから、その場で食べるつもりでした。
まるで志村けんさんのコントのようでした。
味噌汁やライスが二つ出た
また他のお店では、セットメニューが高すぎると感じ、単品組み合わせで注文したところ、ライスが二つ運ばれてきました。
確かに、その通りに注文したのは青年に他ならないのですが、青年が望んでいた結果とは異なりました。
便宜上、あるものを注文するとライスが自動的につくそうです。
しかしながら、常識的には一食にライスを二つ注文する人がいるかどうかは難しい所です。
同様に、味噌汁が二つ来たこともあれば、みそ汁と豚汁の両方が来たこともあります。
便宜上そうなるのでしょう。IT化されたこの現代社会においては多少ちぐはぐでもやむを得ないのです。
マニュアル化は少数派を窮屈にしていないか
大衆受けする味というものはあるのでしょう。
なんとかバーガーなどはその良い例と言えます。
しかしながら、お口に合わないと感じる方もまたかなりの数いらっしゃるはずなのですが、その辺りはあまり尊重されないように感じています。
青年が言いたいのは、せめて私の言う事を取り合ってくれということに他なりませんでした。
アイスクリームにしても、ライスにしても、<あんたがおかしいんだ>とでも言いたげな様子だったからです。
変わった御趣向ですね、などと言って下さったらどんなに救われたことでしょう。
青年は、このコミュニケーションこそを欲していたのかもしれません。