キャッシュレス化を推進するCMなど、多くの場面でキャッシュレス化の勢いを感じるようになりました。
しかしながら、なかなか思うようには進んでいないようでもあります。
様々な理由が挙げられますが、あるフィクションを例にかなり偏った見地から一つの考察をしてみました。
キャッシュレス決済の恐怖
あるよく晴れた日、その男性はふらりと出かけたそうです。
何のために出掛けたわけでもありませんが、お腹だけは空くもので出かけた先では早速ランチをやっているお店を探しました。
あまり手持ちのお金はなく、1000円以内を予算に考えました。そして、もしもの時にはクレジットカードを使おうと腹案があったのです。
クレジットカード可
クレジットカードが使えるお店には表記があるもので、入念に確認したうえでランチ定食900円のお店に入りました。
店員さんに尋ねられるまでもなく、直ぐ様にランチ定食を注文したのです。
税込み900円という事ですから、手持ちのお金でなんとかなります。
気の緩みからもう一品
男は、ランチ定食だけでは満足がいかず、壁に掛けられた札の一品料理が気になって仕方なく、ついつい追加で注文したのです。
旬の魚を握りにしてくれるのだそうです。
「小銭が数百円あったはず・・・まさか500円もしないだろうし。たまにはいいでしょう。」
度肝を抜かれるお会計
男の算段は見事に外れていました。
なんと1500円の請求です。
なぜなのか、それはわかりません。一品料理の値段は書かれていなかったのです。
そんなに・・・高いとは・・・。
このお店、昼間はランチで低料金設定ですが、夜はもっと本格的な料理を出しているようで、その領域に
手を出してしまったためだったのでしょう。
すかさず、男はクレジットカードに手を付けます。
女将さん:『昼間は現金だけなんです~』
男は財布に空いた穴の中までのぞき込み、なけなしの小銭をかき集めました。
奥の奥から出てきた銀色の硬貨は・・・・
キャッシュレスはこりごり
さて、こんな経験をする人は現実にはあまりいないかもしれません。
しかし、ありそうな話ではないでしょうか。
こんな体験をしたら、この男性は、現金主義に留まることでしょう。
思うに・・・
「万が一こんな状況になってしまったら・・・」
という恐怖感がこの国には渦巻いているためにキャッシュレス化は進まないのではないでしょうか。
非常に偏った視点ではありますが、多少なりとも近い思いでいる方は点在しているはずです。
恐怖感、或いは人様に迷惑をかけてしまうという罪悪感、それから自分自身がみっともないという羞恥心など、様々なものを抱きながら我々は生活しているわけですから、メリット、デメリットで推し量れることではないように思えて来ます。
キャッシュレスで全て済むことになったとしても、ハイブリッドで現金を持ち歩く人は後をたたないでしょう。